カルタン部分代数

最初に、ルート系を抽象的に導入しました。

ここで、リー代数のルートとは何かを振り返っておきます。その前提として、カルタン部分代数を見ます。


\mathfrak{g} を、標数0の代数的閉体上の半単純リー代数とします。

\mathfrak{g} の部分代数で、その全ての元 x について ad(x) が半単純(=対角化可能)であるものを考えます。ここで、ad(x)\mathfrak{g} 上の線型変換 y \mapsto [x,y] です。

そのような条件を満たす部分代数で、極大なものをカルタン部分代数(Cartan subalgebra)といいます。

カルタン部分代数は可換であることは少しの議論で分かります(ad(x)カルタン部分代数に制限したとき零写像となることを示せばよいです)。また実は、カルタン部分代数は \mathfrak{g} の同型変換で移りあうことが分かります(この議論は容易ではありません)。