正多面体の分類

広義の正多面体は9つありました。これを、凸型の5つと星型の4つ、と分類することもできます。しかし、ここでは別の分類を考えます。

ユークリッド空間の合同変換、すなわち長さや角度を保つ変換を考えます。

ユークリッド空間内のある集合 X に対して、X を X 自身に移す合同変換を考えます。そのような合同変換の集合は群をなします。これを、X の変換群といいます。

例えば、2次元空間上で正3角形を考えます。この図形を保つ合同変換は次があります。

  • 恒等変換(何も動かさない変換)、
  • 正3角形の中心についての120度回転、240度回転、
  • 各辺の垂直二等分線を対称軸とする折り返し(3つ)

正3角形の変換群は、これら6つの元からなります。これは、正2面体群と呼ばれる群の1つです。

さて、正多面体の変換群を考えると、実はたったの3種類しかありません。

  • 正4面体群:{3,3}
  • 正8面体群:{3,4}, {4,3}
  • 正20面体群:{3,5}, {5,3}, {3,5/2}, {5/2,3}, {5,5/2}, {5/2,5}

変換群の種類によって、正多面体は3種類に分類できることになります。四面体型(三角型)が1つ、八面体型(四角型)が2つ、二十面体型(五角型)が6つ、というわけです。