既約性

代数多様体多項式をベースにしているのですから、既約性についてそれなりに都合の良いことがいえるのだろう、と想像がつきます。


代数多様体 V が、V = V_1 \cup V_2V_1, V_2代数多様体V_1 \neq V, V_2 \neq V)と表されるとき、可約であるといいます。そうでないとき、既約であるといいます。

既約性について次が成り立ちます。

全ての代数多様体は、有限個の既約な代数多様体の合併として表せます。表示の仕方として既約成分の数が最小の場合を考えると、表示は一意です。

わりと都合のよい性質で、今後は既約な代数多様体を基本に考えれば良さそうです。

ところで、可約な代数多様体がどんなものかといえば・・・。多項式 f_1 で定義される代数多様体f_2 で定義される代数多様体の合併は、多項式 f_1 f_2 で定義される代数多様体になります。f_1 の零点と f_2 の零点との和集合は f_1 f_2 の零点と一致する、と言い直せば分かりやすい。

要するに、既約な代数多様体とは、既約多項式で定義される代数多様体のことですね。(当たり前だが注意:1変数の場合は既約多項式は1次式しかないが、2変数以上の場合は2次以上の既約多項式も存在する)

・・・あ、ここまでは代数多様体を定義する多項式が1つの場合を考えましたが、複数あるともうちょっとややこしいですかね・・・。