ディンキン図形

カルタン行列の本質を図形に置き換えたものがディンキン図形です。

議論にディンキン図形を使うと、可能なルート系を全て洗い出すことが容易になります。そして、実はルート系はそれほど種類が多くないことが分かります。


\Delta をルート系、n 次正方行列 C = (c_{ij}) をそのカルタン行列とします。\Delta の(あるいは C の)ディンキン図形(Dynkin diagram)とは、次で定義されるグラフ状の図形のことです。

  • n 個の頂点を持つ。各頂点には番号を振る。
  • 頂点 i と頂点 j とを \max(|c_{ij}|, |c_{ji}|) 本の辺でつなぐ。
  • |c_{ij}| > 1 のとき、頂点 i から頂点 j へ矢を付ける。

なお、ルート系の定義の (R4) から、|c(\alpha, \beta)| = 0,1,2,3 が導かれます。このため、2つの頂点の間の辺は最大3本となります。また、|c_{ij}| > 1 のとき |c_{ji}| = 1 なので、1つの辺に矢が2つつくことはありません。
(ただしアフィンリー環になってくると、辺が4本あったり、矢が2つついたりします)

実はディンキン図形は以下の7種類のみ存在することが分かります。

  • A_n 型(n \geq 1
  • B_n 型(n \geq 2
  • C_n 型(n \geq 3
  • D_n 型(n \geq 4
  • E_6 型、E_7 型、E_8
  • F_4
  • G_2

これらの図は、例えばDynkin diagrams - Wikipediaにあります。