2006-01-01から1年間の記事一覧

今年の数学日記を振り返る

この数学日記を始めたのは、今年の5月5日でした。usami-k 数学日記 - 数学日記を始めてみるかつて勉強した内容の復習を、毎週あるいは隔週くらいのペースで続けられれば、と思って始めてみました。しかし、しばらく続けてみると、思ったよりも大変であること…

数学するヒトビト その12

昨日は、数学者の伝記を書く人たちの話。高木貞治や岡潔の伝記を書いている人たちです。数学そのものでなく、数学者を追うのも面白いものかもしれません。できれば、その人がどんな数学を築いたのかという内容もふまえて、ということですけど。

数学するヒトビト 最終回

13回目の今日が最終回となっています。これまでに触れていなかったトピックがいくつか挙げられています。モンスター群やムーンシャイン予想の話も軽く触れていて、これは個人的な希望としては1回分かけて取り上げてほしかったなあ。まあ何にせよ、なかなか面…

数学するヒトビト その11

昨日は関孝和と和算の話。このシリーズの今までの傾向とは変わって、少し古い話が出てきました。まあしかし、当時の和算は西欧より進んでいる面もあったといいますし、和算はもう少し日の目を見ても良さそうなものです。記号法があまり発達しなかったせいな…

クリエイティブ・コモンズ

この数学日記を、クリエイティブ・コモンズのライセンスにしました。ただ、はてなダイアリーで、クリエイティブ・コモンズのメタデータを配信する方法が分かりません。現在、クリエイティブ・コモンズのサイトで生成したライセンス表示を、はてなダイアリー…

数学するヒトビト その10

昨日は数学の本の編集者の話。数学の本は校正(特に数式のチェック)がしんどそう。あと、筆が遅い人も多そう。編集者は大変そうです。でも、数学とのそういう関わり方もありますね。

数学するヒトビト その9

今日はフィールズ賞受賞者の話でした。日本人の受賞者は森さん以来、16年出ていません。・・・16年か、そんなにたってたんだ。何となくつい最近のような気がしてた、っていうのは我ながら感覚おかしくなってますね。

数学するヒトビト その8

今日は、ゲーデルの不完全性定理の話。竹内外史、八杉満利子、林晋。むかし、数学基礎論にあこがれた頃もあったなあ、などと懐かしがってみたり。ちょっとかじってみたら、その「ちょっと」でそこそこ満足して飽きてしまったのでした。今なら面白いと思える…

数学するヒトビト その7

今日の夕刊は、統計学の吉村功。薬害訴訟ではよく統計調査が重要な役割を果たすようです。疫学などと呼ばれるようです。統計学って、実社会ですごく大事なんだけど、あまり理解されていないという感じがします。ちまたには、あやしげな統計があふれています…

数学するヒトビト その6

昨日の夕刊は、安野光雅、森毅、野崎昭宏。絵本だって数学の本。こういうのは大事だと思います。僕も、数学を好きになったきっかけの1つは、数学パズルでした。

数学するヒトビト その5

昨日の夕刊は、渡米した数学者の話。今の時代では、渡米することそのものに意味があるとは思いません。しかし、かつては意味があったのだろうと思います。

数学するヒトビト その4

今回は、今年が創刊50年の「大学への数学」が取り上げられました。それにまつわる様々な人たち。でも実は、「大学への数学」ってあんまり読んだことないんですよね・・・。今から思えばいい雑誌だと思うのですけど、たまたま縁がなかったです。

数学するヒトビト その3

過去2回からするとちょっと意外な路線で、広島市長の秋葉忠利さんらが紹介されていました。数学者と政治、といった感じの話。

数学するヒトビト その2

今日の数学するヒトビトは、佐藤幹夫。僕がかつて勉強した分野は佐藤先生とはいろいろと縁があるところですので、なんとなく嬉しくなってしまいます。なかなかいいところを突く連載です。

数学するヒトビト

朝日新聞の夕刊1面の連載で、「数学するヒトビト」というのが始まったようです。今日は、加藤和也さん、黒川信重さんが紹介され、整数論やゼータ関数の話にふれていました。朝日新聞自体はあんまり好きではないのですが、この連載はちょっといいかも。

軽い題材?

前回の日記から1ヶ月近くたってしまいました。なかなか思うようには数学に時間が割けません。仕事が忙しくても細切れの時間はなくはないです。しかしやはり、数学のことを考えようと思うと、それなりの精神的余裕がないとつらいですね。一定の時間、数学に…

semisimple

semisimple(半単純)という概念は、数学に限らず、日常の問題に取り組む場合でも認識しておくといいかもしれない、とふと思いました。usami-k 雑文配信: semisimple http://usami-k.seesaa.net/article/23610005.html

普遍包絡環(その2)

前回述べた普遍包絡環について、具体的な記述を書きます。そして、リー代数の表現の代わりに普遍包絡環の表現を考えても同じであることを述べます。

普遍包絡環(その1)

リー代数にはいわゆる普通の積がありません。しかし、普通の積を考えた方が便利な場合もあります。そこで、リー代数を自然に拡張したような、うまい結合代数を構成することにします。それが、普遍包絡環(universal enveloping algebra)と呼ばれるものです。

しりとりの圏

檜山正幸のキマイラ飼育記 - はじめての圏論 その第1歩:しりとりの圏圏論(カテゴリー論)入門記事。しりとりの圏という例はおもしろいと思います。

次回の内容予告

基本的な路線としては、リー代数の表現論のはなしを進めたいと思っています。しかし、その前にリー代数の知識がもう少し必要そうですので、その整理をまず行う予定です。次回は、まずリー代数の普遍包絡環(universal enveloping algebra)の話を書こうと思…

sl(2) の表現(後編)

sl(2) の表現(前編)では、sl(2) 加群のある部分加群を構成しました。今回はその続きです。

sl(2) の表現(前編)

ここで、具体的なリー代数を対象に見ていきたいと思います。といっても、特殊なものを見るわけではありません。sl(2) は、全てのリー代数の基本となる構造であり、理論の基盤となるものです。

リー代数のウェイト

しばらく、リー代数のウェイトについて見たいと思います。 まずは定義を確認します。

数学検定

数学検定の段位の問題が公開されたとのことで、少し問題を眺めてみました。なんだか、わりと簡単そう。1次検定だからこんなものなのかな。あるいは今年が易しいのか。まあ、別に受ける気はないんですが・・・。ちゃんと受けるのはそれなりに大変そうなので。

有限次元単純リー代数の分類

有限次元単純リー代数は、ディンキン図形によって全て洗い出すことができます。その流れを整理しておきます。

リー代数のルート

半単純リー代数は、カルタン部分代数を軸に、ルート空間分解という直和分解が可能です。この分解がリー代数の構造を見通し良く表します。

カルタン部分代数

最初に、ルート系を抽象的に導入しました。ここで、リー代数のルートとは何かを振り返っておきます。その前提として、カルタン部分代数を見ます。

ディンキン図形の思い出

別のブログでも書きましたが、学生だったときのこと。大学の数学科に入ったはいいものの、微分積分や線型代数が嫌いで、今ひとつ目標を見失っていた時期がありました。当時は、大学に入ったら今まで知らなかったような新しい数学と巡り会えると、漠然と思っ…

ディンキン図形

カルタン行列の本質を図形に置き換えたものがディンキン図形です。議論にディンキン図形を使うと、可能なルート系を全て洗い出すことが容易になります。そして、実はルート系はそれほど種類が多くないことが分かります。