ディンキン図形の思い出

別のブログでも書きましたが、学生だったときのこと。大学の数学科に入ったはいいものの、微分積分線型代数が嫌いで、今ひとつ目標を見失っていた時期がありました。

当時は、大学に入ったら今まで知らなかったような新しい数学と巡り会えると、漠然と思っていました。しかし、実際には微分積分線型代数・・・なんだ高校数学とあんまり変わらないじゃないか、と感じて失望したのです。

いくつかのきっかけで立ち直りましたが、その1つがディンキン図形との出会いでした。どこで見かけたのかは、残念ながらもう忘れてしまいました。ただ、なぜか一目惚れしてしまったのです。

意味はよく分かりませんでした。グラフ状の図形だけど、グラフ理論で扱うようなグラフではないらしい。リー代数の分類に使われる? 代数にこんな骨組みみたいなものが入っているのかな? 何なのかちゃんと理解したい、リー代数を勉強してみよう・・・そう、思ったのでした。

リー代数論は、線型代数の知識さえあれば何とかなるので、とっつきやすいものです。しかし、当時は線型代数さえも理解できていませんでした。そこで、線型代数の基礎からもう一度やり直しました。そして、最終的にはリー代数とディンキン図形を理解することができました。

今は、数学は単に趣味でしかありません。それでも、当時の体験は貴重なものだったと思っています。