リー代数のウェイト

しばらく、リー代数のウェイトについて見たいと思います。
まずは定義を確認します。


\mathcal{G}リー代数とします。ベクトル空間 V\mathcal{G} 加群(module)であるとは、演算 \mathcal{G} \times V \to V : (x, v) \mapsto x.v が与えられて次を満たすことです。

  • (M1) (ax + by).v = a(x.v) + b(y.v)
  • (M2) x.(av + bw) = a(x.v) + b(x.w)
  • (M3) [x,y].v = x.y.v - y.x.v

これは、表現(representation)\rho : \mathcal{G} \to gl(V) が与えられて x.v := \rho(x)v と定義することと同値です。そこで、そのときどきで、加群の言葉と表現の言葉との都合のいいほうを使うことにします。


さて、\mathcal{G} を半単純リー代数\mathcal{H} をそのカルタン部分代数とします。また、V\mathcal{G} 加群とします。
このとき、\lambda \in \mathcal{H}^\ast について、V_\lambda := \{ v \in V | \forall h \in \mathcal{H}, h.v = \lambda(h)v \} と定義します。V_\lambda \neq 0 のとき、\lambda をウェイト(weight)と呼びます。


\mathcal{G} 自身も、随伴表現で \mathcal{G} 加群になります。このときのウェイトはルートに他なりません(リー代数のルートの定義を参照)。